2011年6月15日水曜日

伝えたいもの 〜生きる


生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木(こ)もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そしてかくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声(うぶごえ)があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

作・谷川俊太郎

小学六年生の時に国語の教科書に載っていたこの詩は、当時の担任が出した暗記の課題の一つだった。出された課題はこの他にも日本国憲法全文や詩など10点ほどあったように記憶している。暗記を始める前に全ての課題を解説し生徒に理解させた上で、全員がオールクリアを目指すというものだった。
この詩はすでに授業で学んでいたけれどその時は特に何も感じる事なく終えていて、ただ覚えるだけなら楽勝だと当時演劇部だった私はすぐに暗記に取りかかった。
でも何度も繰り返し読んでいるうちに、この詩が伝えたい事、詩のすばらしさを実感してこの詩が大好きになった。何度も読みながら子どもながらに、生きるって大きい事なんだなぁと思った事を覚えている。
「生きる」は教科書に掲載されていた事もありとても有名で、かの「3年B組金八先生」にも登場した。今も教科書に掲載されているんだろうか。
これまで幾度となくどこかしらで目にしてきたこの詩をぜひ子どもにも聞かせたい。それぞれ感じる事は違う...何も感じない子もいるかもしれないけれど、今年度の読み聞かせで読んでみよう。ただ楽しいだけじゃなく例えば生きる事とか、人は一人では生きられないとかそうゆう事を絵本を通して伝えていけたらいいな。
ふとこの詩を思い出して、そう思った。

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